【2024年全日本ロードレース選手権 第3戦 SUGO ST600】阿部恵斗がダブルウインで開幕3連勝

　全日本RR第３戦SUGOのST600クラスは2レース制。第３戦とはいえST600クラスにとっては2レース目、3レース目となる。
　土曜日は予選と決勝レース1が行なわれた。予選では芳賀涼大が開始3分ほどで真っ先に1分30秒669と1分30秒台にタイムを入れる。すぐに長尾健吾が1分30秒634と逆転。長尾は翌周に1分29秒886とついに1分29秒台に突入してレコードタイムを更新。芳賀も1分30秒089と自身のタイムを更新するが、1分30秒の壁を越えられない。阿部恵斗が1分30秒043と二人の間に割って入る。阿部はさらにタイムを更新して1分29秒535と一気にトップ浮上。中山耀介が1分29秒713をマークして2番手に浮上と激しいアタック合戦が展開される。
　セッション開始10分程度でアタック合戦が終了。そのまま阿部が開幕2戦連続ポールポジションを獲得。フロントロウ獲得の中山、長尾までの3人が1分29秒台というハイレベルな予選だった。

　予選の興奮も冷めないうちにレース1がスタート。好スタートを切ったのは阿部。逆にスタート後、早々に転倒を喫してしまったのは2番手スタートの中山。
　阿部と激しいトップ争いを開始したのは長尾。背後では鈴木光来が2台を追いかける展開。トップ3台は順位を入れ替えることなく周回を重ねる。背後では小山知良、芳賀、伊達悠太が激しい4位争いを繰り広げる。そして5周目に小山と芳賀が転倒。これで単独4番手走行になった伊達を追いかけたのは藤田哲弥。果敢に伊達を追撃。7周目に前に出る。そうこうしている間に菅原陸が追いついて、3台での激しい4位争いに発展。
　レース後半。トップ2台を追いかけていた鈴木が徐々に離されていく。長尾は阿部を射程圏内に捕らえたまま2番手で周回を重ねる。
　ラスト2周。トップ2台の前に周回遅れの集団が出現。阿部は臆せずにラストスパート。これで決着。阿部が2戦連続ポールtoウインを飾った。
　また、4位争いは藤田が制した。

●阿部恵斗（予選1位／決勝1位）

「予選のペースがよかったので、前戦のようなレースができるかと思ったのですが、路面温度が予想以上に上がってセッティングが合わせきれませんでした。逃げ切れずにレース後半がしんどくなったのですが、スタートから一度もトップを譲らず優勝できたのはうれしいです」

　レース２はレース1同様20周。ホールショットを奪ったのは阿部。芳賀、長尾、鈴木と続く。

　2周目突入のストレートで芳賀が首位奪取。阿部を従えて周回を始める。背後では長尾と鈴木が激しい3位争いを展開。そこに伊達も加わり、激しさを増す。2周目に3番手浮上の鈴木がトップ2台に肉薄。伊達もこれに続く。
　4周目。阿部がトップ奪回。しかしストレートで再び芳賀が前に出る。翌周も阿部が前に出る。後方では伊達が鈴木の前に出る。
　5周目もストレートであっさりと芳賀がトップ浮上。この攻防で集団は膨れ、芳賀、阿部、伊達、鈴木、長尾、菅原陸、中山耀介、藤田、岡谷雄太が隊列を作る。
　8周目。阿部が前に出る。芳賀は伊達に2番手争いを挑まれ、その間に阿部が逃げを打つ。阿部はあっという間に独走体制に移行。芳賀は伊達、鈴木、長尾と激しい争いを継続。すぐ後ろでは藤田、菅原、中山らも虎視眈々とねらっている。

　後方の激しい2位争いを尻目に阿部は単独で淡々と周回を重ねてダブルウイン。2位争いはレース終盤に長尾と鈴木の一騎打ちの様相となり、これを長尾が制した。レース終盤にペースが上がらなくなった芳賀は6位に沈んだ。

●阿部恵斗（予選1位／決勝1位）

「レース序盤の集団が大きかったので、タイヤを使い過ぎてしまいました。でもタイヤが減ってもコントロールしやすいバイクにしていたので、強みが少し出たかなと思います」